以前、別の記事の中で、CRMシステムを使っての顧客管理のメリット、デメリットについてお話しさせて頂きました。
顧客情報を一括管理し、各部署でシェアすることにより、円滑かつ効率的に顧客との信頼関係を築いていくことが可能になるとお伝えしました。
今回は、その『顧客』に着目してご紹介します。
新規顧客の獲得、顧客数の増大は、収益拡大を望む企業にとって最も重要な課題の一つであります。
ターゲット層をきちんと絞り込まずに無造作に宣伝行為を行なっても、確実性の高い顧客を見つけ出すのはとても難しく、さらには時間と費用の無駄にも繋がってしまいます。
企業が提供するサービスをどういった層の人たちが求めているのか、そういった顧客ターゲットを明確化していくには、まず様々な、異なる”種類”の顧客について理解を広げていく必要があります。
そこで今回は、潜在顧客と見込み顧客の違いについてご説明させていただきます。

それぞれの用語を説明していく前に、ターゲットとする層からどの様な流れを経て既存顧客に変わっていくのかを簡潔に説明させていただきます。
上記の図にある様に、顧客は潜在顧客、見込み顧客、新規顧客、既存顧客の大まかに4つの段階に分けることが可能です。
企業はまず商品やサービスを売り出す際に、それに似合った顧客ターゲットを選定します。
ここでは、化粧品会社が新たに敏感肌向けの化粧水を発売するにあたり、20〜30代の女性をターゲットにしたと仮定します。
商品:敏感肌向け化粧水 ターゲット:20~30代女性
ウェブサイトを訪れメルマガへの登録や、お試し版の注文をするといった、何らかのアクションを起こし、その商品に関心があることを示す段階を経て、値段や品質に納得し、購入を決めた人たちが新規顧客となります。
中には、一度切りの購入のみになってしまう顧客も現れますが、商品を使い切る度に継続的に商品を購入する顧客が既存顧客となります。
『新規顧客』と『既存顧客』の違いはご理解いただけたと思いますので、続いては『潜在顧客』と『見込み顧客』の違いについて見ていきます。
見込み顧客とは
見込み顧客とは、企業が提供する商品やサービスに対して、何らかのアクションを通して興味関心の意を示し、購入・利用する可能性が十分に期待できる人たちを指します。
化粧品の例でいえば、敏感肌に悩みをもつ女性がウェブサイトに登録したり、トライアルセットを注文したりして、自身がその商品に興味があることを企業側に示している段階のことを指します。
関心を示した顧客の全てが、新規顧客になるとは言えませんが、顧客のニーズと企業の提供するサービスが一致して、購入することが見込まれるので見込み顧客と類別することができます。
この層は新規顧客として獲得できる余地が十分にあるので、大切にし、合理的なアプローチをして行きたいターゲットになります。
潜在顧客とは

潜在顧客とは、企業が絞るターゲット層の中で、商品やサービス、企業のことを認知していない、または認識していてもそれに対してまだ必要性を感じていない顧客のことをいいます。
言い換えれば、何か知るキッカケを与えられたり、必要とするタイミングを見つけることがあれば、商品の購入、サービスを利用する可能性がある得る顧客層といえます。
先ほど挙げた化粧水を例にとってみると、20〜30代の女性で敏感肌の悩みを抱える人たちの中でも、まだ企業や商品の存在を認知していない人が当然に存在します。
また認知していたとしても、現段階ではその商品を必要としておらず、興味関心を示していないため、今すぐの購入を期待することは出来ません。
こうした段階にある顧客を潜在顧客として類別できます。
しかし、購入可能性がゼロである訳ではありません。
年齢や季節の変化と共に急に肌のトラブルが見え出したり、友人へのギフト選びの時にたまたま広告を目にしたり、様々な理由で新規顧客になる可能性が十分にあります。
今の時点で興味を示していないからといってターゲットから除外せず、きっかけ作りやタイミングを提供してあげることで、将来的な確保が見込まれます。
大きな枠の中からピンポイントでターゲットを絞りこみ、潜在顧客、見込み顧客それぞれの顧客層に異なった方法で働きかけていく必要があります。
読者の中にも、自分の求めていない商品の宣伝がしつこくてウンザリしたり、タイミング良く届いた広告メールをみて企業を乗り換えたりした経験がある方もいらっしゃるかと思います。
それぞれの顧客の特色を分析し、それに伴った戦略でアプローチをかけることで大幅な顧客拡大が期待出来る様になります。
今回は、『顧客』についてお話しさせていただきました。どのような段階を踏んで潜在顧客から既存顧客に変化していくかご理解頂けたと思います。
顧客との関係性維持のためには、顧客とするターゲットを賢く選別し、CRMシステムを使った顧客情報の円滑な管理、カスタマーサクセスを駆使するといった方法が考えられます。
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